
今日は、『千鳥かがり』をマスターしようね。

『千鳥』?
鳥さんみたいに、かがるの?
千鳥かがり
『千鳥かがり』は『ヘリンボーン』とも呼ばれます。
糸を斜めに渡すかがり方で、出来上がると糸の渡り方が、『千鳥』や『ヘリンボーン(ニシンの骨)』に見えることから、このような名前がついています。
かがり方
準備作業
千鳥かがりは、糸を上下に渡していくかがり方なので、ピンに糸を渡しただけの状態ではかがることが出来ません。
ですから、準備作業が必要になります。
こう言うと、難しく聞こえますが、それほどでもありません。
『(コーラル)ノット』あるいは『鎖目結び』と呼ばれる結びを、ピンに渡した糸に2回施すだけです。
※ この『ノット(鎖目結び)』はピンに渡した糸を右から左、あるいは、左から右へと移動しながら、小さな結び目を作る結びです。後日、詳しい結び方は説明いたします。
例えば、次の図のようにノットをします。図のグレーの線がピンに渡した糸で、赤いラインと点がノットの部分です。
見てわかるように、ノットは計3回施していますから、この場合は、千鳥かがりを2か所で作ることが出来きます。
How to・・・?
ピンに糸を掛けた状態の図だと、ピンにかかっている糸が目について、実際のかがり方がわかりにくくなってしまうので、平行線と点だけを表示した図で、説明していきます。
千鳥かがりは、左右どちらの方向にも進むことが出来ますが、今回は左から右へ進む前提で説明していきます。
1.かがる糸を針に通し、糸端を15㎝ほど残すようにして、下側(内側)の横糸のところに持っていきます。
千鳥かがりの前に使っていた糸をそのまま使用する場合は、糸端を残す必要はありませんが、開始位置まで、土台になる糸(ピンの糸やノットで渡した糸)に沿わせるようにして持っていきます。
2.(糸端をキープしながら)、上側(外側)の糸の上を通って、針をいったん向こう側に渡し、続けて手前に向けます。
3.左側に針先を置きながら、「2」で上を通した糸の下をくぐらせます。
4.針を右側に移動させますが、その際「1」の工程で渡った糸の上を通します。
5.下側(内側)の糸の上を通しながら、針先を折り返します。
6.左側に針先を置きながら、「5」で上を通した糸の下をくぐらせます。
7.針を右側に移動させますが、その際「5」の工程で渡った糸の上を通します。
8.以上を繰り返します。
あまり上手な説明ではないような気がしますが・・・
千鳥かがり自体は、珍しいかがり方ではないので、この説明でわからない方はネット検索してみてくださいね。
上、下・・・どちらを通すの?
千鳥かがりの問題は、かがり方よりも、ピンにかかっている糸の上を通すか、下を通すかだと思います。
何を問題にしているのかわからない方は、次の図をご覧ください。
左の青い線と、右側の緑の線とでは印象が違いますよね?
これは色の違いではなくて、千鳥かがりをピンにわたっている糸の上を通してかがった(青い線)のか、下を通してかがった(緑の線)のか、の違いによります。
結論から言えば、どちらのかがり方も正解です。
どのように仕上げたいかによって、いずれかの方法を選択することになります。
これは、かがっているときに見ている側が表か裏かの問題が関わってくるので、ここではあまり触れたくないのですが・・・、一般的には、
- 千鳥かがりの糸を目立たせたい場合は、ピンに渡した糸の下を、
- ピンの糸を目立たせたい場合は、ピンの糸の上を、
通すということになっています。
まあ、初心者のうちは図案通りにかがっていくでしょうから、この辺りは気にしなくて大丈夫(?)じゃないかなぁ。・・・多分・・・
あとがき
『千鳥かがり』は、糸が斜めに渡るため、程よい透け感と密度を感じることのできるかがり方です。針の動きを一度覚えてしまえば、とても簡単にできるので、重宝するかがり方だと思いますよ。
あくまでも、個人的な感想ですけどね。