フィレレースって、何?
フィレレースって、どんなもの?
フィレレースも、日本ではあまり馴染みのないレースです。
フランス語で「網」を意味する「filet」の名前のついたレース・・・、その名の通り、漁網のような編み目のレースです。右の写真を見ていただくと、わかりますよね。
このレース、基本は網目状に作る過程で、目数を増減させたり、目を大きく作ったりして模様を描き出します。
でも、それだけじゃないんです。
左の写真のように、目の大きさを正確に揃えて作り、それを利用して刺繍をすることで、美しい模様を描き出すことも出来るんです。
ちょっと変わったレースでしょう? これがフィレレースです。
フィレレースの歴史
これまた、歴史について語ろうと思っても、ひつじのまーこには、大した知識がないので、かつてのテキストから、抜粋して、書きます。
はじまり
ネット作り自体は、原始人の頃からあったと言われています。だって、狩りや漁のために考えられたとしたら、その頃からあっても不思議じゃないですよね。
レースとして変化
それが、実用以外の形で使われるようになったのは、13世紀ごろからと言われています。イタリアの漁師の妻たちによって、レースのような形になっていき、14世紀ごろにはネットのキャップやその他の装飾(主に服飾)に使われるようになったようです。
17~19世紀には、さらに発展し、高級レースの一つとして認められるようになっていったみたいです。それら、高級レースは、フィレギピュールレースと呼ばれることもあるようです。
日本に入ってきたのは?
どのテキストにも書かれていないので、わかりません。
他のレース同様、明治時代でしょうか?
でも、漁網自体は日本にもありますから・・・、
どうなんでしょう?
フィレレースとはどんなものか、あまり書くことが出来なかったので、最後に、フィレレースに対するひつじのまーこの個人的な考えを書いておきます。
私見
ヨーロッパで高級レースとして扱われるようになっていったのは、発展していく過程で、フィレ地を土台にして刺繍をするようになったからではないかと、ひつじのまーこは考えています。
目を増減したり、目の大きさを変えることで、様々な模様を作れますが、その他のレースと比べると繊細さや豪華さがあまり出ません。でも、小さな正方形の並んだフィレ地を刺繍すると、様々な模様を描き出せます。それも、他のレースと比べると、簡単に。
フィレ地に刺繍をするためのデザインは、方眼編みのような感覚でデザイン出来るのに、刺繍なので、方眼編みでは難しいラインを描き出すことも出来ますし、濃淡の種類も豊富です。しかも、行き当たりばったりのデザインも可能です。
これが、レース制作をする人々の創作意欲を刺激し、
より美しく、より華麗で、より繊細な、
デザインのものを求め、制作していったのではないかと思うのです。
現に、アンティークレースとして残っているフィレレースの作品は、機械で作ったかのような整然とした正方形、そして、これらと対照的な花や鳥、葉や蔓などの動きのある刺繍が相まって、他のレースにはない美しさを醸し出しています。
これらを見た感動を、皆さんに是非、味わってほしいものです。
が、ひつじのまーこの作品では、無理でしょうねぇ…。