フィレレースの刺繍の4回目です。
前回までは、フィレのネットの1マスを塗りつぶすようなかがり方を紹介しましたが、今回からは、透け感の出るかがり方を紹介します。
七宝かがり(1)
出来上がったものが、日本の伝統的な模様の七宝文様に似ていることから名づけられたと思われます。洋書では、ループ・ステッチ(Loop Stitch)と称されているかがり方です。
かがり方
1.糸をつけたら、1マスの上のラインに、ボタンホールステッチの要領で1マスに1回ずつかがっていきます。マスを移動する時は、ネットの糸の上を通るようにします。
2.右端まで来たら、右端の柱に1回だけボタンホールステッチの要領でかがり、続けて、同じマス目の下にも同様にかがります。
3.復路もボタンホールステッチの要領でマス目の下にかがりながら戻りますが、マスを移動する時は、「1」の糸の上側でネットの糸の下を通すようにします。
4.最初のマス目の下側には、ボタンホールステッチをまだかがりません!すぐ下のマス目をとばし、その右側・・・・つまり、最初のマス目の右斜め下のマス目に移動します。この時、ネットの糸の上を通るだけで、ネットには糸を絡めません。
5.「1」のように、下のマス目にもボタンホールステッチの要領でかがっていきます。針を入れるところは、「3」でかがった時に、マス目の下側に絡めた糸の輪に上から入れます。
マスを移動する時は「1」の時と同様、ネットの糸の上を通します。
6.右端まで来たら「2」と同様にして、折り返し、復路は「3」と同様にかがりながら戻ってきます。
7.最初のマス目の下側のマス目には、ボタンホールステッチをまだかがらないというのは、「4」と同じです。最初のマス目の下側のマス目はとばし、その右側のマス目に移動します。この時、ネットの糸の上を通るだけで、ネットには糸を絡めません。
8.「4」~「6」を繰り返して、最初のマス目の下側のマス目のライン以外の部分をかがります。
9.最初のマス目の下側のマスを、下から上に向かってかがっていきます。針の刺し方は、下の図を参考にして下さい。
もし、刺し方がわからなくなってしまったら、ネットを左に90度回転させてみてください。そうすると、復路と同じ刺し方で戻っていくことに気づくと思います。
10.最初に糸をつけたマス目に戻ったら、糸をつけたところ、つまり最初のマス目の左側にも、かがります。そして、糸をつける時に結んだところをほどいて、かがってきた糸と結びなおし、それぞれ糸始末をします。
七宝かがり(2)
「七宝かがり(1)」を1段だけかがったものです。
写真は、「七宝かがり(1)」の写真よりも太い糸を使ってかがったので、大分印象が違って見えるかもしれませんが、かがり方は一緒です。
かがり方
1.糸をつけたら、1マスの上のラインに、ボタンホールステッチの要領で1マスに1回ずつかがっていきます。マスを移動する時は、ネットの糸の上を通るようにします。
2.右端まで来たら、右端の柱に1回だけボタンホールステッチの要領でかがり、続けて、同じマス目の下にも同様にかがります。
3.復路もボタンホールステッチの要領でマス目の下にかがりながら戻りますが、マスを移動する時は、「1」の糸の上側でネットの糸の下を通すようにします。
4.最初のマス目の下側も「3」と同様にかがり、糸をつけたところ、つまり最初のマス目の左側にも、かがります。そして、糸をつける時に結んだところをほどいて、かがってきた糸と結びなおし、それぞれ糸始末をします。
あとがき
七宝かがりは、文字や絵で説明するととっても複雑、と感じますが、実際に手を動かしてかがってみると、楽に出来ます。
前回までに説明したかがり方のように、針を上→下→上→下→・・・と順番になるように注意しながら動かす必要がないので、気楽です。特に、テレビを見ながらかがりをするひつじのまーこにとっては・・・・。
もっとも、動きを覚えるまでは、ちょっと頭を使いますけどね。