今回も、ネット状になるかがりを紹介します。
ツイスト
㈶日本手芸普及協会の『レース専門コース:バテンレース』の中で、
”ツイストネット ステッチ”
という名称で紹介されているかがり方です。
参考写真を用意してみたのですが、ひつじのまーこのかがり方が目の横幅が狭いので、あまりネット状には見えないかもしれませんね。
縦と横の幅がほぼ同じようになるようにかがると、亀甲模様のような感じに仕上がって、よりネット感が増します。
かがり方は、今まで紹介したステッチとちょっと違います。このかがりは、ボタンホールステッチを使わないのです。
今までのかがりでは、前の段のループに上から針を入れ、出来た輪の下から針を出していました(緑の線)が、
ツイストステッチをする時は、前の段のループに上から針を入れ、出来た輪の上から針を入れます(赤い線)。
初めての時はちょっと混乱しますが、慣れれば、大丈夫。使い分けができるようになります。
また、参考になるかどうかわかりませんが、動画でも紹介しています。気になる方はご覧になってみてください。
ちなみに、ニードルポイントレースの洋書では、
”Point d’Espagne”
という名称で紹介されています。
また、このようなツイストするかがり方がもう2種類紹介されています。混乱を避けるために、かがり方の説明は省略して、名称だけお伝えしておきます。
”English Stitch”と、”Hollie Stitch”の2つ。
前者は2回ツイストしたような感じになり、ツイストした部分が少しな長めの印象になります。後者は ”Point d’Espagne”のねじれ方が反対になっているだけのステッチです。
興味のある方は、調べてみてくださいね。
チュールネット ステッチ
㈶日本手芸普及協会の『レース専門コース:バテンレース』の中で、紹介されているステッチです。
今、紹介したツイストに糸を一回絡めるだけです。
1.まず、左から右にツイストを1段だけかがります。
2.今作ったツイストのループ1つずつに、それぞれ針を上から1回だけ入れて絡め、右から左へ戻ります。
以上を繰り返すと、チュールネット・ステッチが出来ます。
ひつじのまーこがかがった写真では、あまり実感できないでしょうが、上手にかがると、蜂の巣のような形状になるので、まさにチュールという感じになります。
作り方を動画でも確認できます。この動画の映像も蜂の巣のようにはなっていませんが、参考にしてみてください。
今まで紹介したかがり方は、どの方向に進もうが同じことを繰り返すだけですが、このかがりは、
このようなタイプのかがり方は、他にもあります。
わたしネットかがり
㈶日本手芸普及協会の『レース専門コース:バテンレース』の中では、
”シングルライン ネット ステッチ”
という名称で紹介されています。
写真をご覧になってお分かりになるかもしれませんが、最初に紹介したシングルに横糸が1本渡ったかがりです。
かがり方は、
1.1段目は左から右にかがります。シングルと同じように、ボタンホールステッチを等間隔にしていきます。
2.右から左に、糸を渡します。
写真を見ると、渡した糸と前の段のループとが離れていますが大丈夫。シングルのループは、こんな風に巻き上がるのが通常の状態です。かがっていくうちに落ち着いてくるので、気にせずに続けていきましょう。
3.前の段のループと、今、渡した糸の2本をすくい、ボタンホールステッチを1回かがります。
4.右端まで行ったら、2~3を繰り返します。
このかがりをする時に、特に注意して欲しい点として、
- シングルのボタンホールステッチでかがった部分は巻き上がってしまうので、渡す糸が、前の段のループが来るはずのところに渡すこと(「2」の写真参照)
- ボタンホールステッチを左から右に行くときにしかしないため、かがっている糸の撚りが戻ったり、かかりすぎたりするので、時々撚りを通常の状態に戻す必要があること
の二つを挙げておきます。
動画も作ってみました。良かったら、ご覧ください。

わたしネットかがりダブル
わたしネットかがりのボタンホールステッチを、一つのループにつき二つかがると、このかがりになります。
写真はご用意していません。どんなかがりになるか興味のある方は、ご自分でかがってみてくださいね。
あとがき
写真を用意できなかったものも含めると、今回まででネット状のかがり方を10種類も見てきたことになります。そろそろ、別の形状のかがり方を見ていただきたくなってきたのですが、次回、もう一つだけ、ネット状のかがりを見ていただこうと思っています。あと少しだけ、おつきあいください。